この文字を使う主な言葉と国
ラテン語(古代ローマ)
ラテン語は、もともと現在のイタリアの一部の地方で使われていた言葉だったが、今から二千年以上前、 古代ローマ帝国が領土を広げるのにともなってヨーロッパ中で使われる言葉となっていった。 その後、ローマ帝国がほろぶとともに、国語としての歴史は終わるが、ヨーロッパの伝統を支える言葉として、 今日にいたるまでキリスト教、学問、教育の分野で重要な役割を果たし続けた。
現在のイタリア語やフランス語、スペイン語などロマンス語といわれる言葉は、このラテン語の子孫にあたる。
ラテン語を国語としている国はないが、今もローマ・カトリック教会の中で使われている。またヨーロッパや アメリカの人の中には、ラテン語で会話を楽しんだり、詩や小説を書く人々がいて、フィンランドには、 ラテン語でのラジオ放送もあるという。
文字のとくちょう
いわゆるローマ字(アルファベット)で、もともと文字をもたなかったローマ人が、 おそらく先にギリシアの影響を受けていたエトルリア人を通してギリシア文字を知り、 それに手を加えて自分たちの言葉を表す文字を作ったのではないかと考えられる。
もともとのローマ字は23文字で、英語のアルファベットの26文字より3文字(J、U、W)少ない。 Jは、母音のI(イ)と子音のI(ヤ、ユ、ヨのはじめの音)を区別するために、 Uは母音のV(ウ)と子音のV(ワ、ウォのはじめの音)を区別するために後に作られた。 また、もともとは、小文字はなく、大文字の筆記体として小文字が作られた。
読み方は、だいたい小学校4年生で習う「ローマ字」と同じだが、特にJ、V、Cは注意が必要。 Jは「ヤ・ユ・ヨ」(「ローマ字」ではY)、Vは「ワ・ウィ・ウェ・ウォ」(「ローマ字」ではW)、 Cは「カ・キ・ク・ケ・コ」(「ローマ字」ではK)に使う。
アルファベット…A(アー)B(べー)C(ケー)D(デー)E(エー)F(エフ)G(ゲー)H(ハー)I(J)(イー)
K(カー)L(エル)M(エム)N(エヌ)
O(オー)P(ペー)Q(クー)R(エル)S(エス)T(テー)V(U)(ウー)X(イクス)Y(ユー)Z(ゼータ)
文字の書きならべ方
英語や小学校3、4年生で習うローマ字と同じ。左から右へ横書きにし、上から下へ行を重ねる。
自分の名前を書いてみよう
例えば「さとし」と書いてみると、「さ」は「SA」、「と」は「TO」、 「し」は「SI」。
これらをつづけて、「SATOSI」と書ける。
サトシでは、普通のローマ字と変わらないので、おまけにラテン語ならではの文字の例を…
「ワカヨ」(和歌代?わざとらしすぎる?)と書いてみると。「ワ」は「VA」、「カ」は「CA」、 ヨは「JO」。
これをつづけて「VACAJO」。ラテン語を知らないと、「バカジョ」??になってしまう!