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ハンドル式黒電話(磁石式電話機)

41号M 磁石式電話機

磁石式電話機は、電話機の横についたハンドルを手で回して発電し、電話局の交換手を呼び出すしくみの電話機です。電話先の交換手に電話番号を告げて相手の電話につないでもらっていました。当サイトの管理者が小学生の頃(昭和50年前後に自動化してダイヤル式になる前)までは、田舎はこの形式の電話機でした(都市部はすでに自動化していました)。

ちなみに1963年(昭和38年)に600形の自動式卓上電話(いわゆるダイヤル式黒電話)が登場し、1979年(昭和54年)3月に全国自動化(ダイヤル化)が完成するに至って、ハンドル式の電話機が完全に引退しました。

この電話機は、2台を直接つなげば、一方の電話機のハンドルを回すと発電した電気でもう一方の電話機のベルを鳴らしてくれるので、インターホンのように使うことができます。

41号M 磁石式電話機

41号M磁石式電話機は、日本電信電話公社によって1958年(昭和33年)に制式化されました。受話器と同じ幅の横長箱形で、受話器受けの取り付け方向を変えると卓上、壁掛どちらでも使用できます。ハンドル式の電話機としては、最も新しい形(広く普及したものとして)で、中古機が比較的安価で手に入るので、インターホンごっこに最適です。(写真の電話機は、ヤフオクで1000円ほどで入手したものです。)

2台の41号M 磁石式電話機をインターホンにする

41号M磁石式電話機を2台つなぐ

2台のハンドル式電話機をつないでインターホンにします。

使い方は、まず電話機の横のクランクハンドルを回してベルを鳴らし、相手を呼び出します。古い形の41号電話機(電話線の被覆が布)の場合は、どちら向きに回してもベルが鳴りますが、新しいもの(電話線の被覆がビニール)の場合は、ハンドルの側から見て時計回りに回すとベルが鳴るようです。

お互いの受話器を取って耳と口元にあてて話せば、インターホンとして通話できます。

電話線を必要な長さに延長すれば、例えば家庭で1階と2階をつなぐインターホンとして実際に使用することができます。当サイトの管理者が小学生の頃、小学校や近くの事務所などで、自動化して(ダイヤル式になって)不要になったハンドル式の電話機をこのように内線として使用していました。当時、電話機の横には、通話用の電源として大きな紙箱型の電池が置いてありました。

実際のつなぎ方(モジュラーローゼットとモジュラーコード)

(3)電話線にローゼットをつける

(4)各ローゼットに電池をつなぐ

(1)41号M磁石式電話機を2台つなぐ

(2)電話線の中の4色のコード

(1)41号M磁石式電話機を2台つなぐ

電話機から出る電話線の中には、4本(4色)のコードが入っています。これらの内、赤L1と白L2で互いの電話機をつなぎます。鳶(トビ)L3(+)と青L4(-)で各電話機に電源(3V)を供給します。※L3の色は、電話機内の回路図では鳶(トビ)と表示されています。茶色のような色です。

(2)電話線の4色のコードをつなぐ

このように2台の電話をつないで、ベルを鳴らし通話をするには、2本の電線が必要です。電話用のコードでなくても大丈夫ですが、モジュラーコードとローゼット(6極2芯)を使うと簡単で便利です。

(3)電話線にローゼットをつける

モジュラーの真ん中の2極(L1、L2)に通話・ベル用の線(赤、白)を、その外側(L3、L4)に電源用の線(青、鳶)をつなぎます。

(4)各ローゼットに電池をつなぐ

(3)で取り付けたローゼット同士を1本のモジュラーコード(6極2芯)でつなぐだけで互いのベルを鳴らすことができます。通話するためには、それぞれのローゼットのL3、L4端子から導線を引き出して、それぞれに直流3Vの乾電池などをつなぎます。かつては、黒電話の傍らに大きな紙箱型の3V乾電池を見かけました。ナショナルのものが小学生時代の記憶にあります。今でもあるのかと探してみたら、三菱電気だけが今でも販売しているようです。「通信用乾電池平形3V FM-5J」

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