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滋賀の「チバニアン」(千葉時代)
「本邦(ほんぽう=日本)玄武岩(げんぶがん)の磁性に就(つ)いて」理学博士 松山基範
40別刷は百部入用であります。
但し内五十部の代金は著者負担いたします。(1)
(別刷、百部)
本邦(ほんぽう=日本)玄武岩(げんぶがん)の磁性(じせい)に就(つ)いて
理学博士(りがくはかせ) 松山基範(まつやま もとのり)
岩石の或種(あるしゅ)のものが磁性(じせい=磁石としての性質)を持って居(い)るといふ(う)事(こと)
は一般に知られて居(い)る所であって、磁鉄鉱(じってこう)の如(ごと)き
は特に其(その)性質の著(いちじる)しいものであるが、其他(そのた)に於(おい)て
も玄武岩(げんぶがん)或(あるい)は安山岩(あんざんがん)等(など)の岩石は多少の磁性(じせい)を示し、
時には磁針(じしん=方位磁石)を用(もち)ひ(い)て方位の測量を行ふ(う)場合に、著(いちじる)
しい誤差(ごさ)を生ずる事があると伝へられて居(い)る。之
等(これら)の岩石の磁性(じせい)の為(ため)に起る地磁気(ちじき)の磁場の偏倚(へんい)は
今日(こんにち)に於(おい)ては鉱床(こうしょう)探索(たんさく)の一方法として測定さるる(される)
場合が多いのであるが、磁気的(じきてき)探鉱法(たんこうほう)に於(おい)ても、
単に磁場(じば)の偏倚(へんい)を測って其(その)状態によって鉱床(こうしょう)の形
状を判断するのみであっては蓋(けだ)し尚(なお)不充分であっ
て、進んで各種の鉱床(こうしょう)及(および)岩石の磁性に関する実験