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南海トラフ地震とは

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地震で隆起するたびに港を掘り下げた結果、町と海面に大きな高低差ができたそうだ。

室津港(高知県室戸岬)

現在の室津港

©松岡明芳CreativeCommonsBY SAWikimediaCommons

1968年の室津港


地震による隆起と室津港

室津港の海面とそのすぐ上にある集落とは、7~8mもの高低差があります。これは、ここに生きる人々が、くり返し発生する地震に立ち向かって港を守ってきた結果です。

室津港は、南海トラフの地震が発生するたびに海底が隆起(りゅうき)し、海が浅くなって港が使えなくなってしまいました。そのたびに人々は、海水をせき止め、掘り下げ工事を行って、港を復活させてきました。その結果、これだけの高低差が生まれたのです。

宝永七年の「磯辺のもくづ」には、宝永地震後の室津港の状況を次のように記しています。

「宝永四年丁亥の変に由り、港口に大石現れ、現在干潮にも水深一尺を余すのみにて、船舶出入の大支障となる。」(宝永4年の丁亥の変(宝永地震)のため、港の入り口に大きな岩が現れ、干潮の時は水深が30cmだけになって船の出入りに大きな支障となった。)

江戸時代の室津港の役人(番役)の日記

江戸時代、室津港の役人(番役)であった久保野家の日記に室津港の水位が記録されています。この記録から、地震による土地の隆起(りゅうき)量を推定して、地震の発生の予測に利用することができます。

室津港の水位(室津湊番役人久保野家の記録より)

港内港口
満潮干潮満潮干潮
宝永地震前(1707)一丈四尺(4.2m)八尺五寸(2.6m)一丈二尺(3.6m)六尺五寸(2.0m)
宝永地震後(1759)八尺七寸(2.6m)三尺六寸(1.1m)六尺九寸(2.1m)二尺二寸(0.67m)
五尺三寸(1.6m)四尺九寸(1.5m)五尺一寸(1.5m)四尺三寸(1.3m)

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